小説『春を待つ蟻』第四章その四

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「ねえ、愛名。愛名がいじめを受けたのに、なんで姉ちゃんに言えなかったのか、もう一度、詳しく教えてくれる?」 「……うん」  お茶で口を湿らす愛名を見て、私は煙草を取り出し、火をつける。  …

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小説『記憶のいろは』第七章その一

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 芝居の山場のようにスポットライトを浴びる二人。  ライトのせいか、辺りは漆黒とも呼べるほどの暗闇に包まれていて、周囲に何があるか私の位置から見えない。  ひとりはこちらを向いた幼女だ。 …

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