小説『春を待つ蟻』第四章その十二

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 私たちが乗り込んだ車両は半分ほど席が埋まっていた。  新幹線の濃紺色の座席は、今回の旅で座ってきたどのシートよりも座り心地がいい。  それでも居心地が悪いのは、私が新幹線に乗りなれていないせい…

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小説『記憶のいろは』第七章その九

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 タッパーを開くとシュー生地は持ってくる前と同じ状態で収まっていた。 「食べていい?」  彼が手を伸ばすので、私はタッパーを彼から遠ざけ 「まだクリーム入ってないから」と制す。  カ…

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