エッセイ風『大雪が降ったあと父は』

本日雪がこちらも降りましたが、群馬県の平野部は基本的に積もりません。
山間部はめちゃくちゃに降るんですけどね。

ですが数年前、私が住む地域にドカ雪が降りました。
もう何十年と降ったことのない大雪。
関東より西の方々はおわかりだと思いますが、
雪がふらない地域にめちゃくちゃ雪が降ると交通機関が完全に麻痺します。
それどころか、こちらはバス停待合所の屋根が壊れたり、
カーポートが壊れて車を傷つけたり、ビニールハウスが倒壊したり。
とにかくシャレにならなかったんです。

私の家は少し山沿いにあるために、他の地区より雪が積もりました。
迂闊にもシャベルを玄関外においていたので、まずシャベルを取りに行くのも一苦労。
上下レインコートで身を包み、泳ぐようにしてシャベルを取りに行く状態。
初日は玄関周りの雪をどかすことしか出来ませんでした。

二日目。雪は圧縮されたとはいえ、まだ見渡す限りの雪、雪、雪。
母と私で交代で家の駐車場までの道を作ります。
でも女二人ではそれが精一杯。
母に「あとどれくらい食料残ってる?」と聞くと、「もってあと三日」との答え。
これはまずい。

そして三日目。
やっと車の雪を払い、車の周りを掘り出します。
この頃、プラスチック製のスコップが壊れ、鉄製のスコップ一つのみ。
車の下まで潜り込んだ雪のせいもあり、なかなか作業が進みません。
汗を垂らしながらなんとか掘り進めている時、
家の方からガラガラと窓をあける音がしました。
なにかと思って見てみると、
童顔の父が満面の笑みを浮かべトイレの窓から顔を出している。

「おー雪すっごく積もったなー。(ニッコニコ)」

このクソジジイ、三日目にして今更それを言うか。
その上なんだその笑顔は。
お前は夏休みの朝に晴れて嬉しそうな顔をしている小学生か!
これからセミを取りに行くのか!?
あ? セミか!?

「草子掘ってるのかー」
ガラガラ。

……ねぎらいの言葉もなしに、閉めるのかよ!!!

こちらは父が戦力にならないことは重々承知。
でも母と私が、あと数日分の食料しかないって大騒ぎしてたじゃねーかよ!
全くもってこいつ、聞いてねえ!!

なんだか父の満面の笑みを見たら、力が抜けてしまって。
その日の作業は終了。

結局大雪から5日目で外出できるようになりました。
近所の会社が重機で道の雪を掻き出してくれたおかげです……。
もしそれがなかったら、と思うと震えます。

あの雪にこりた母と私は、雪用のダンプ(押し出して雪をどかす製品)、
スコップ、凍結防止のスプレー、長靴などを購入。

父よ。
座っていれば食事が出てくると思ったら、大間違いだからな!!

この記事へのコメント

  • てるい

    泳ぐようにシャベルを取りに行く、一体どれだけ降ったんでしょう、確かに大雪です。私も雪掻きの作業はしますが、いつも、雪って見るだけがいいなぁって思います。重機は重機でやっかいです、土手を作っていきます。なんにせよ、座ってれば食事が出てくるんだから、お父さんは幸せ者です。降るには降ったけど、あの時は-12℃まで冷えて、その話題の方が多かったです。雪掻きの雪も、ゆるんでから冷えると凍るので、氷みたいになり、金属のスコップじゃないと作業が出来ません。ちょいと厄介です。 I
    2017年01月25日 16:16
  • 木村草子

    >てるいさん
    あの日どのぐらい雪が降ったのか・・・。数日かけて降ったと思うんですよね。忘れました。(笑) 雪って降ったらすぐ溶けるだときれいでいいですよね。 うちの家の前は空き地のようなものなので、重機が入って空き地の方を山にしてくれました! 雪ってすぐに作業しないと駄目ですね。(-_-;) それまで知りませんでした。
    2017年01月30日 20:55