純文学って何が面白いの?

昨日の純文学と大衆文学の違いを書いて、
「これじゃあ純文学が面白くないみたいだな」と思ったので、
もうちょっと詳しい説明を。

例えばミステリーであれば、犯人は誰か、どういうトリックか。
それが重要になりますが、
純文学ではそういった筋の楽しみ方ではありません。

じゃあ純文学と呼ばれるものの何が楽しいか。
それはいくつか種類があります。

1.実験的な物語
例えばちょっと前までですが、視点が移動する小説が多く出ていました。
本文中はずっと「私」と語られているのですが、
明らかに前の「私」と別の人物の視点に変わっているんですね。
そのうち人間ではなくイルカになってしまったり。
今読んだ、「私」は誰だ!?
みたいな感じで読み進めます。

2.登場人物が奇抜
前々回の芥川賞受賞作、コンビニ人間は、
多分なにか障害がある人間が主人公でした。
羽田圭介さんが受賞された「スクラップ・アンド・ビルド」ではありませんが、
候補作だった「メタモルフォシス」はもう強烈ですよ。
マゾな主人公が、マゾの吟二みたいなものが切々と語っております。
女王様にされるSMプレイの詳細などもどぎついです。

3.文章自体が超難解
黒田夏子さんの受賞作「abさんご
これは読むこと自体が困難です。
ひらがな多用、横書き。それだけではないんです。
基本的に名詞を使っていないんですよ……。
途中で「読めるかっ!」ってブチ切れましたが、読みました。(笑)

私が純文学を通して全体的に思うのが、
「作者はこの世界を信じている」ということです。
芥川賞を取った人間だから、普通のことを考えていないと考えるよりも、
「なんでこの人はこんな考えに至ったか」
と考えるほうがずっと面白い。

黒田夏子さんはずっと同人をやり続けていて、
その進化系が「abさんご」だったわけです。
どうしてこう進化したのか、どうしてこう考えるに至ったのか、
どうしてこの主人公はこう動くのか。
どうしてこの作家はこの小説を書いたのか。

どうして?がすべての小説(純文学に限りませんが)に通じることだと思います。

又吉さんの「火花」が難解だと思われた方も多かったようですが、
それは物語の筋を追っていくからだと思います。

筋を楽しまない。言葉を楽しむ。

が私なりの楽しみ方です。

この記事へのコメント

  • てるい

    純文学、楽しそうにも思えるのですが、誤解です。超難解だったりするんでしょう。受賞する訳だし、楽しみがあるんでしょうが、やっぱり、手を出しちゃいけないものという、印象が強いです。楽しめる人が、楽しんでいればいいような、そんな感じがします。 I
    2017年04月26日 19:05
  • 木村草子

    >てるいさん
    純文学に慣れていない方が、純文学を読むと、
    「……で?」って思いますよ多分。(笑)
    何がいいたいのかさっぱりわからないって。
    でもすべての小説で何かがいいたいわけではないので、
    意味が無いものもありますし。(笑)
    エンタメでは物足りなくなった人向けかもしれませんねぇ。
    2017年05月01日 21:18