小説『記憶のいろは』第十章その六

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 カーテンを開け放し、光が満ちた聡美さんの部屋で私たちはくつろいでいた。  美衣さんは全てを吐き出し気分が良くなったのか、ベッドの上で猫田さんとくすぐりあって笑っている。  私は外の様子をゆ…

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小説『記憶のいろは』第十章その五

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 このベランダは小高い丘の上にあるらしく、眼下に深い森が広がっている。  風に吹かれ木の葉や枝がざわわと音を立て、それに呼応するかのように甲高い鳥の鳴き声がする。  むせ返るような濃い、緑の香り…

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