小説『春を待つ蟻』最終章その一

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 誰もいない部屋にはテーブルとソファー。  音声は特に聞こえてこない。  少ししてカメラを操作していたと思われる姉の背中が、カメラの手前に大きく写り込んだ。 「お母さん!」  愛名が…

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小説『春を待つ蟻』第四章その十九

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「……ねえ。みんなに言っておきたいことがあるの」  なかなか変わらない画面を見つめながら、私は言葉を続ける。 「もし、このパソコンに姉ちゃんの動画なんてなくて、遺書もなくて。また荷物を探…

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小説『春を待つ蟻』第四章その十八

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 ふすまを開けると、畳の上に白い段ボール箱が三個。  開封された状態で置いてあった。  そして座卓の上に、レコーダー、小型のテレビ、ビデオカメラ、電話機など小型家電と呼ばれるものが並べられている…

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